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中学に入った頃から、僕は周りから無視されるようになった。
当然、僕に話しかけてくる人は誰もいない。
ただ、僕には友達も恋愛も必要のないものだ。
だから無視をされても、特に何ら支障はない。
周りの生徒たちがヒソヒソと僕の陰口を言ってるのが聞こえる。
「あいつ、また1人で教科書見ながらブツブツ言ってるぜ」
「キモすぎ」
しかし、そんな陰口を言われても僕は気にせず、母さんの為に勉強を頑張る。
母さんに怒られるのは僕が悪い子だからだ。
僕がもっと勉強して良い大学に入って、一流企業に就職して立派な社会人になれば、母さんはきっと喜んでくれるはず。
だから、母さんの為にも頑張らなくてはならない。
必要ないものは全て切り捨てて、必要な知識だけを身につけなければ……。
――期末試験の結果発表。
努力の甲斐があって、僕は学年トップの成績を収めることが出来た。
これならきっと喜んでくれるだろう。
母さんの笑顔が早く見たくて、僕は急いで家に帰る。
「母さん! 僕、学年でトップになったよ!」
「大輔、よく頑張ったわね。今日はお祝いよ」
そう言って母さんが満足そうに喜んでお祝いしてくれる。
頑張ってきて良かった。
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