貴司の部屋

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「ごほん!」 内藤がわざとらしく咳ばらいをした 「あーーー わーったわーった!」 部屋を出る時、貴司はドアのところで内藤に低くつぶやく 「葵を決して逃がすな 誰も近づけるな」 「承知しました」 内藤は頭を下げる 貴司は葵をチラと振り返り出て行った 窓際から外の景色を見ていた葵に 内藤は ミネラルウォーターとグラス、おしぼりを差し出す 「いかがですか」 葵は会釈して受け取った 「では、自分の部屋と思ってゆっくり過ごしてください ベッドで寝てもいいし、ソファで休んでもいいし、何をされてもかまいません この部屋の中なら 私は貴司様のご命令なので ここにおりますが 空気と思ってください」 葵は頷く
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