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「お前をうちに連れてく(キリッ)」
と葵をじっと見た
「はい」
葵は素直に頷いてくれた
貴司はにまーっと笑って葵を抱き寄せる
ついでに深く口づけた
葵が吐息を漏らすと
内藤にまた怒られた
葵、感じすぎだぜ…
さすがに時間ないし、我慢我慢
葵はホントに拾った子猫みたいだった
無垢、純粋、されるがまま…
どう思っているのかわからない
いや、実はこの時の葵は何も考えていなかった
正確には考えることが許されていなかった
この時の貴司は葵との出会いに夢中で
そんなことには微塵も気づきもしなかったのだがーー
ーーーーー
「颯だ
今、ホテルから出た
高円寺の本宅に向かっているらしい
想定内だが…
父親の龍三ではなく息子の貴司と一緒にいる
葵がぐったりしていて少し心配だが…光が別ルートでもう潜入してる
はあ?!声がイライラしてるって?
焼きもち?なわけないだろ!」
貴司たちの乗るリムジンを見つめる高級車の中
携帯電話片手に怒鳴っている颯の姿があった
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