高円寺家へ (しつこいけど…男の子だもん)

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高円寺の邸宅は 都会にもこんな小さな森があるのかと思わせる場所にあった 厳重に警備された門扉には監視カメラがたくさん 鉄条網も張り巡らされ 武装しているらしい輩がうじゃうじゃ 門扉から車で進み、しばらく走るとーーー 見えてきたのはホテルのような洋館だった 実は貴司も全部の構造は知らない 「お帰りなさいませ貴司様」 葵と手をつなぎエントランスを抜けると 高円寺の執事やメイド、龍三付きの若い衆が出迎えた 「ああ、ただいま」 貴司は珍しく機嫌がいい 「彼女は葵だ 今日から俺の部屋に住まわせるから」 葵は会釈した その美しさに 所作の優雅さに まして 父親が反面教師となり まさか女嫌いなのではとさえ噂された貴司が初めて自宅に女性を連れてきたことに みんな静かに息を飲んだ 貴司と葵がエレベーターに乗ると 使用人たちは顔を合わせ色めき立つ
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