高円寺龍三

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こんなに美しい女は 大抵自分の美しさを知っていて 男に媚びたり甘えたり自信ありげな態度を取る 男に慣れすぎるとすれたり目の光を失ったりするし 不慣れだとおどおどしたり泣いたりするが 気品のような空気さえまとう 葵はそのどれにも当てはまらない おもしろい… 美しく、おもしろい女… 龍三の唇が弧を描く 2人の距離は3メートルほど… 照明を少し落とした室内に 葵の白いカラダが浮かび上がる 龍三が視線を送ると真壁が椅子を用意した 「座りなさい」 真壁に低く言われ、葵は椅子に座った 龍三は葵の美しいカラダを執拗に視線で絡めとる しばし時間がたった 「脚を… 開いてごらん」 葵は椅子に座ったまま脚を少し開いた 「ほぅ…」 何のためらいもなく応じる葵を 龍三は満足そうに見る 少し前かがみになり膝の上で手を組んだ 「もっと…開いてごらん」 葵は脚を開く 「柔らかいんだね… 膝を抱えて踵を椅子の上にのせて」
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