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【番外】親バカな君と★
娘の晶美が、3ヶ月前に1歳を迎えた。
心美は総合職から一般職になって復職予定だったんだけど、慣れない家事と育児が余りにも大変そうだったので、落ち着くまでは一旦退職することを勧めた。俺の稼ぎは、3人で食べていくには十分あったし。
だけど彼女は働きたい気持ちもあるらしく、子どもが小学校に上がったりして時間が出来たら、パートでも探してボチボチ働こうかな、と言っていた。
新居は、彼女のマンション。新しく買おうっていう話も出たんだけど、これからまだ家族が増えるかもしれないし、買うのはそれからにしようっていう話になって。
で、そろそろ2人目を作ろうか、という話が夫婦間で出ている。
「ただいまー、」
21時。俺はだいたいこの時間に帰ってくる。玄関の扉を開けると、最愛の妻が迎えに来て、キスをしてジャケットや鞄を渡すのが日課。
「晶美は?」
「よく寝てる、」
「そっか」
ネクタイを緩めながら、小さなベットを覗き込んだ。
彼女に似て、白い肌、長い睫毛。赤ちゃんモデル顔負けの可愛さだ。
「晶美、ただいま」
ふわふわの頬に、人差し指でツンツンと触れる。一瞬、鼻が不機嫌そうに動いた。
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