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指が2本に増えた。出し挿れの度に溢れてしまっているのが、自分でも分かる。
「シーツ、汚れそう」
そう呟いた彼の顔は、やっぱり満足そうだった。
2本の指の腹が、ピンポイントでそこに触れて。簡単に熱が高まる。
「…ア、アァ、ヤッ…!」
「心美、声…晶美と千恵美に聞こえるよ…?」
「んンッ、」
だったらもう少し手加減してくれても良いのに。
沸点まで、あと少し。
というところで、止まる手。代わりに彼の熱が一気に挿入された。
ーーー…!
それだけで、ガクガクと震える身体。ピンと張る脚の先。
「…可愛い、」
また触れる唇。
キスに酔いしれた後、呼吸が整った私に、彼が囁いた。
「…愛してる、」
交際当初から変わらず、いつも愛を囁いてくれる彼。その度に私も、年甲斐もなくトキメいてしまう。
「…晶美と千恵美と、私だったら?」
「そりゃ心美、」
「…嘘だ、」
「ホントだよ。心美が居たから、晶美と千恵美に会えたんだから…感謝してる。愛してるよ、」
まさか即答してくれると思わなかったから驚いた。私、思ったよりも大切にされているらしい。
「ま、俺は全員ひっくるめて愛してるし、もし全員が窮地に立っても、全員護るけどね」
そんなことを言うから笑ってしまった。
そのうち、娘を護る役は誰かにバトンタッチしないといけないのに。この人がそうできる日は来るんだろうか…?
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