18話 王都での製品開発

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 ロランは1週間のうち3日間を冒険者業の日とし、残り3日を製品開発に費やし、1日は休息日としボルトとナット、プラスチックの開発と特許取得を第一優先として取り組んだ。  だが、プラスチックの製造は直ぐに諦めた。この世界に石油が存在しているか不明であることとプラスチック生成までの化学知識を入手する手段がないからである。  ロランは方向性を変え、元の世界で『寒天と石灰・貝灰を使用してプラスチックの代替品』を生み出す方法があることを書籍で読んだことを思い出し、試してみることにする。  先ずは王都の市場に行き、天草か寒天あるいはトコロテンが販売していないか探し始めた。同時にヘスティア商会のクレイグ氏に対し、赤い海藻を取り扱っている商会または露天商はないか、探してくれるようお願いをする。  2週間後、クレイグ氏から『フォルテア王国』の南に位置する『メッサッリア共和国』と『クリシュナ帝国』に面した『マルテーレ海』より海藻を取り寄せ販売している露天商が、寒天のような素材を販売しているとの情報を得た。  
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