その後の彼

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何気ない会話を交わしながら、彼の事を少しずつ知っていく。 そこから分かったことは、彼は大手食品メーカーの営業をしていて、名前は鴇永 零(ときなが れい)と言い、年令は27才。 高校までを九州で過ごし、そこからはこの近くの大学へ進学して、そのまま地元へ戻らずに就職し6年目。 初めてウチの店に来た日は、本当にたまたまこの近くを営業で回っていたそうだ。 そして途中で寄ったコンビニで傘を忘れて来た事に気付き、取りに戻ろうとした所に急に雨足が強くなってきた。 で、その雨の激しさに傘を取りに戻る事を諦めて、雨宿りしようとこの店に入って来たそうだ。 これを運命というのかな…。 そんな事を思うなんて、僕も相当舞い上がってるんだな。 まあ、僕が勝手に心の中で思っているなら誰の迷惑にもならないだろう。 どうやら僕は、自分が思っている以上に彼が気に入っている様だね。
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