彼と僕の人様には言えない日常

あの夜の彼

僕に抱き付いている零くんの身体に腕を回し、キスをしたままでベッドに横たえる。
唇を離して彼を見つめる。
トロンとした目で見上げる零くんの唇から、キスの名残りが糸を引いていた。
それがやたらとイヤらしくて、僕の心臓が飛び跳ねる。
ヤバ過ぎるだろ…、なんなんだ、この色気は…。
今度は、僕からキスを降らせていく。
軽く開いた口から、零くんの口腔内に僕の舌が入り込み探検していく。
すると零くんの口からは切なげな吐息が溢れてくる。
耳に届く零くんの微かな吐息…。
僕の頭で、何かがプツンと切れた。

僕は、そのまま彼の頭を両手で包み込み更に深く激しいキスをする。
零くんの舌が応えてくれる。
その合間に彼の吐息がだんだんと甘ったるくなっていくのが分かる。