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「零っっっ…!!」
僕は、自分の声で目が覚めた。
…ああ、久しぶりに零の夢を見た。
僕は、あまりにもリアルな零の艶姿に汗びっしょりになっていた。
…ん?なんだか気持ち悪い。
ふと、気付くと僕は吐精していた。
この年になって夢精だなんて…。
諦めた筈だったのに、本物の零に会っただけで、こんな夢を見て更に射精までしてしまうなんて…。
僕は、もう一生誰も好きにはならないと決めていたのに、いつの間にかこんなにも、零に夢中になっていたのか…。
本当に大切なモノほど、失くしてから気付くのかも知れない。
そう。僕と零は、きっと最初で最後、最大のチャンスを見事に手離してしまったのだ。
それからの僕は、ようやく零を過去に出来そうだったのに、想い出どころか零と過ごした日々がまざまざと蘇り、更には夢にまで出て来て、また眠れない日が続くようになってしまった。
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