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その時の2人
俊太郎さんが寝室に戻ってきた。
半乾きの前髪が目の辺りまで降りてて、いつもよりもラフな俊太郎さんが色っぽ過ぎてクラクラする。
その色気たっぷりの目が俺を捕らえて離さないから、思わず俊太郎さんに抱きついた。
優しいキスが降ってくる。
俊太郎さんの細いけど節張った指が、前髪を上げる様に俺の髪に絡まる。
俊太郎さんは髪に触るのがクセみたいで、いつも俺の頭を撫で髪を梳(す)く。
俺は、そんな風にされるのが結構お気に入りだから、されるがままになっている。
俊太郎さんの唇が、俺の身体中に降ってくる。
その柔らかな感触に俺の身体は一々ビクリと震えてしまう。
「零は、ホント敏感だね。」
もう、恥ずかしいから言わなくていいって…。
「俊太郎さんが…上手いか…ら…、んんっ…」
俺が反応すると、俊太郎さんは、その部分をしつこいほど責めてくる。
俺は俊太郎さんの手で、どんどん乱されていく。
もう何度も俺を抱いてる俊太郎さんは、きっともう俺のイイトコロなんか分かってる筈なのに、それでも毎回違う責めをしてくる。
だから俺は、いつだって狂わされてしまう。
思い掛けないトコロが感じてしまったりするから。
「零が、僕から離れられなくなるぐらいに、溺れさせたいんだよ。」
そんなに想われて俺は幸せだ。
でも、そんな心配しなくても俺は絶対に俊太郎さんから離れない。
俺の方こそ俊太郎さんに捨てられないか心配なのに。
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