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「今から一人一人、
血を一滴残らず奪います」
そう言い放つと前の席に居た生徒達に見覚えの無い刃物を突きつけ
引き裂き始めた…
その酷い光景に生徒達は絶望し
次は自分の番になる事を恐れ逃げ出そうとする生徒達は窓を開け大声を出す者が続出するが
それも虚しく誰に一人として届く事は無かった
それもそのはず
バスが走っていた場所は山の奥で人の気配があるはずが無かった
いくら叫んでも気付かれることは決して無い…
すると前方に
今にでも意識を失いそうな生徒一人が
犯人達に叫んだ
「先生達は何者なんですか…!?」
その声にはもう自分が死ぬと覚悟を決めた渾身の叫びだった
それに犯人達は律儀に答えてくれた
「まぁいいだろう。
我々はまず貴様らとは違う。
貴様らが言う化け物でも無い。
我々は貴様らの血で生きていく誇り高き生物
まぁ低脳達に分かりやすく言うと
吸血鬼ってところか?鬼とも言う…
よく知らないがな。興味もない」
すると
「鬼!?」と犯人達の言葉にキヨカが反応した
その反応に対し犯人達はキヨカに視線を向け見つめた
キヨカはその視線にビクりともせず
質問をする
「あの、あなた達は今、
騒がれている事件の犯人達なんですか?
…どうなの?お願い答えて!」
キヨカは真実だけを追い求める性格で
真っ直ぐな目で犯人達に訴えた
それもそのはず
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キヨカは正義感が強く
悪を絶対に許せなかった
キヨカの両親は無惨な殺人事件に合い
その犯人が未だ捕まっておらず
必ず自分が捕まえて罪を償わせようと
警察官を目指していた
キヨカの性格上
目の前で起きてる犯罪は何一つとして見逃せないのだ
しかし
その強い正義感のせいで危険な目に合いやすく
何度も命の危険に晒されている
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キヨカの何をも恐れない性格に
いつも振り回されてるのがカナタである
そんなカナタはキヨカの言動に震えていた…
カナタはキヨカと違って臆病で控えめな性格で何よりも争いを拒む
だが
キヨカの今の言動によって
間違いなく次に狙われるのはキヨカだと
それならば自分も何かを発して自分に目線を向けさせる必要があった
か弱いカナタだが
キヨカの事になると話は別だ
一番大切な人を放って置くほど
根性は腐っていない
だが
カナタが何かをし目線を向けられたとして
犯人達がこっちに来るとすれば
その途中でキヨカの横を通る事になる
それはあまりにも危険で絶対にダメだ
するとカナタは徐ろに立ち上がり
犯人達の方へと一歩一歩 前に進んで行く
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