第8章 運命共同体

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-----無空間----- 気が付くと再び暗闇の無空間に戻っていた しかし さっきと違う事が一つだけあった 自分の目の前には一人の影が立っていた すると… 「おかえり」と女性が笑顔で手を振っていた 自分は無意識に手を振り返すと 「ただいま、キヨカ」と口にしていた そして 真っ暗だったはずの周りがフラッシュが焚かれたみたいに光り出し僕は全てを思い出した 僕は弘前カナタで ある事件をきっかけに鬼に目覚める 僕は正真正銘の純血だと言う事が判明した そして母親と共に命を落とした…? 「やっと会えた…」 キヨカはカナタに抱きついた 抱きつかれたカナタは先程見た映像を思い出す 「あれはキヨカだったのか… 僕が覚えてた記憶とだいぶ違ったけど」 カナタは見た映像の話をキヨカにした 「私もここで見てたよ。 あれはちゃんと真実だよ? きっと私がここに来たからカナタの記憶と私の記憶が融合して全部 見れたんだと思う… ていうか口の悪いカナタじゃないんだね、残念」 キヨカは記憶の説明をした後 頬を膨らませつぶやいた 「なるほど… じゃあ僕は記憶操作されていたって事なのかな? …口が悪い方が好きなの?」 カナタは記憶の話を返すと キヨカと同じく頬を膨らませ拗ねた 「それはこの後に一緒に続きを見れば、 全部がわかるよ…その代わり… 色々と覚悟して欲しい。 正直に言うとこの先の事、 カナタには知られたくない… だけどやっぱりカナタは真実に向き合わないと 自分で確かめないと元の身体には戻れないんだと思う… それなら私も付き合って一緒に共有したい! …可愛いカナタも口の悪いカナタも、 私は大好きだよ」 キヨカはカナタの手を握り一緒に真実に向き合う事を伝えた 「わかった… 僕は全てを知りたい。 もうキヨカを一人にはしたくないから… それに親の事も弟の事も鬼の事も 全部 僕は知らなすぎる! …僕もキヨカが大好きだから、 一緒に真実に向き合いたい」 カナタは覚悟を決めた するとフラッシュのように焚かれた光は徐々に落ち着き 先程に見た保健室の映像の場所から再生された… ------------------------------ 連絡を受けた母親が保健室に到着しカーテンを開けると一つのベッドの上に 男の子ことカナタと 女の子ことキヨカが手を繋いで寝ているのを見てしまう 母親はその状況が気になりキヨカの身体を調べ始めた するとキヨカの腕には噛まれた跡が残っていた
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