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「ニノがさぁ」
運ばれて来た焼酎を、一口飲んで、テーブルにグラスを置くと共にそう言った名和さんに、やべっ、今日は絡み酒かと、心の中で嘆く。
しかし、名和さんが一口で酔うはずもなく、いや違うなと思い、「ニノ…ですか?」と、聞き返す。
「ニノよ、ニノ。嵐の二宮。知らない?」
「あぁ、嵐…」
「結婚したじゃない」
「そうなんですか?」
「知らないの?」
「そう言えば、朝紗都さんが騒いでたような…」
なんか、キャーキャー言ってたような気もするけど
「なにそれ?惚気?」
「えっ、あっ、いや…。すみません」
そういうつもりは、全くなかったが、確かに、朝だなんて生々しいし、そう取られても仕方がないと思い取り敢えず謝ると、「別にいいけど」と呟くように言い、「やっぱ、紗都はわかってくれるんだ」なんて、妙に納得している。
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