3人が本棚に入れています
本棚に追加
死神様
次の日、大分調子が戻ってきた。だるさも辛さもなくなった。ベッドから出て、部屋を出る。如月さん、どこにいるんだろう…?と思っていると前の方から如月さんが来た。如月さんも俺が起きたことに気づいたようで近づいてくる。
「おはよう、具合は?」
「おはようございます、大分良くなりました。」
「そう、それはよかった。」
ニコッと笑う如月さんに、不覚にもキュンと来てしまった。……ん?待てよ?キュンって何…!?慌ててその事は忘れようとする。そして遠くからだったから気づかなかったが、如月さんの服装が昨日とは違うことに気づいた。
「如月さん…その服装……」
「ん?あぁ、これ?仕事用の服だよ。」
「そう…なんですか。」
「あ、そうだ。ちょうどよかった。これからまた仕事を始めるんだけど、君もちょっと手伝ってくれない?」
「え?あ…はい。俺に出来ることなら…」
「よし、決まり!じゃあこっち来て。」
「あ…」
如月さんは俺の腕をとり、仕事場に俺を連れて行く。そして、仕事場に着いて中に入ると周りに本がぎっしり詰まった本棚と、奥に机とイス、それから周りは書類でいっぱいだった。
「そこのイスに座って待ってて、あとあまりそこの書類とかには触らないで。俺様は少し様子を見てくる。」
「分かりました。」
様子を見てくる?どういうこと?疑問に思いながらも、俺はイスに腰掛ける。
「本や書類がいっぱいあるけど…如月さんの仕事って何なんだろう。」
そう呟くと、突然パソコンの画面が明るくなった。
「……え!?」
驚いてイスから立ち上がってパソコンから離れる。
すると、パソコンの画面に頭蓋骨が映る。
「ひっ!?」
「おやおや?主様はまた、誰か連れてきたんですか。全く、困った人ですね。」
「だ、誰!?」
「失礼、私は主様の使い《イツ》でございます。」
「主様の…使い?」
「左様でございます。」
主様?一体誰の…?すると、ドアが開いた。如月さんが入ってきた。
「あ、主様!一体どこに行っておれられたのですか!」
「……え?」
主…様……?ってまさか……。
「イツ、お前…」
「す、すみませんっ!」
パソコンの画面がすぐ消えて、イツがいなくなる。そしてしばらく沈黙が訪れる。最初に話したのは如月さんだった。
「もう、アイツが言ったから分かるよな。単刀直入に言う。俺様は死神様だ。」
最初のコメントを投稿しよう!