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「…死神…様……?」
「あぁ。ちょっと使いたいんだけど、いいかい?」
「は、はい…。」
如月さん……死神様は、パソコンを指さして言う。俺は、慌ててパソコンから離れる。そして、死神様はパソコンを使って何かをしている。何をしているのか気になったが、怖くて見ることが出来なかった。
「…よし。」
「……あの、死神…様……」
「ん?何?」
「あの…一体何を……」
「君は、このモニター画面を見てるだけでいいよ。」
そう言って、死神様はモニター画面を指さす。見ると、一見普通の…昨日見た会社の中だった。すると死神様は、マイクに向かって口を開く。
「これより、殺人ゲームを開始する。皆様、頑張ってください。」
その声で、モニター画面の会社の中が真っ暗闇で辺りには血しぶき、血で書かれたダイイングメッセージなど、先程見た映像とは違っていた。
「これっ……て…」
背筋が凍りついた。殺人ゲーム…?人を殺すの?すると、モニター画面に一人の少女が走っていた。背後には、仮面を被った謎の人が追いかけている。
「…まさか……」
「そのまさかだよ。」
「……っ!」
いつの間にか、死神様が背後にいて驚いた。死神様は気にせずに続ける。
「殺人ゲームの中にはね、殺し屋がいるんだ。そして、追いかけられているあの少女は暗殺者。このゲームは暗殺者を殺すために作られたゲームなんだよ。」
暗殺者を殺す…。そう思ってみていると、少女は捕まった。少女は泣き叫んでいる。そして、パァンッという銃声と血しぶきと共に、彼女はその場に倒れる。死んだ…。あの少女は死んだ。彼女の遺体を見て吐き気がした。何で…あんなことに……。すると、死神様は背後から俺を抱きしめる。そして、口の中に手を入れてくる。
「し、死神様っ!?な、何を……」
手はどんどん奥に入ってくる。駄目…これ以上…奥に来たら……。
「ぅ…うぇぇぇ……」
我慢しようと思っていたのに…吐いてしまった。すると、死神様が口を開く。
「我慢すんな。気持ち悪いと思うのは当然だ。吐いたっていい。」
「……っ…」
「もう大丈夫か?」
「は…はい…すみません……」
「別に謝ることねぇよ。」
そう言って死神様は、俺の頭を優しく撫でてくれる。温かい…。あれ…そういえば……。俺はふと疑問を抱いて死神様に尋ねる。
「あ、あの…」
「何?」
「死神様は…なぜ俺に優しくしてくれるんですか?」
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