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「……え?」
「どうしてですか?」
俺はどうしても答えが気になって、死神様に問い詰める。
「……」
死神様はしばらく黙り込む。そして、それは意外な答えだった。
「…お前のことが…気に入ったから……」
「……はい?」
「それじゃ駄目か?」
「…えーと…わ、分かりました…ありがとうございます。」
正直…疑問は解決しなかったが、あまり死神様を怒らせるのもあれだったので、深くは聞かないことにした。そして、殺人ゲームはまだ続いている。モニター画面でその様子を見続ける。最初は、とても見れそうになかったが、見ているうちに変な気持ちになってきた。冷や汗も出てくる。死神様の方を少し見ると、まだ仕事をしていた。モニター画面をしばらく見ていると、突然ドアが開いた。見ると、そこには血まみれの青年。そして、鋭い目で死神様を睨んでいた。
「死神、てめぇ…ふざけんなよ…やっと…やっとここまで辿り着いたんだ…早くここから出せ!!」
死神様は、怖がる様子もなく平然とした口調で話す。
「そう…それはおめでとう。けどね、お前達の目的は『このマンションから出ること。』わざわざ俺様を見つける必要はないんだよ。」
「あぁ!?このマンションのオーナーでもあるあんたを見つけたんだ!出してくれてもいいじゃねぇかよ!!」
「それじゃ、筋が通らない。君、失格。今すぐここで死んでもらうよ。」
死神様の手から、魔術のような光が出てくる。と、同時に俺の腕は引っ張られ、俺は青年に捕まる。手には銃を持っていて、俺の頭につけられる。
「こいつを死なせたくなければ、今すぐ出口を教えろ!!」
「……っ!」
死神様は、一瞬驚愕した表情をしたが再び冷静な表情に戻る。
「そいつを離せ。そいつは何も関係ない人だ。だから今すぐ離せ。」
「はぁ?お前の部屋にいるってことは十分怪しいだろ!早く出口を教えろよ!!」
「……」
死神様は、しばらく無言になった。そして、青年はフッと不敵な笑みを浮かべ、口を開く。
「ははっ、教えられませんってか!?じゃあもう、こうするしかねぇな!」
パァンという音と共に、頭に激痛が走った。意識が遠のいていく。
「神崎っ…!!」
死神様の声が聞こえる。そして、初めて見た歪んでいる表情。あぁ…死神様でも…そういう表情するんだ。そう思った途端、俺の視界は真っ黒に染まった。青年の笑い声が何度も頭で流れていた。
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