鈴木小太郎の事例。

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20xx年夏 全国高校野球選手権大会地方予選〇〇大会決勝 備中松山高校vs創造未来学園 10回裏ツーアウト満塁 1対0 3ボール2ストライク 「さあツーアウト満塁、バッターは4番の御手洗くん。」 実況が語気を強める。 「今日はこのようなチャンスが多いですね。」 解説がいう。 「それもそのはずなんと創造未来学園打線、今日は18残塁。」 実況が続ける。 「サヨナラになった瞬間、創造未来学園の2年連続の甲子園が決定します。」 創造未来学園は全国実績は少ないものの県内では敵なしの私立高校である。 「備中松山高校、タイムを取りまして、キャッチャーの三村くん、今大会、全試合完投のエース鈴木くんのところへ向かいます。」 備中松山高校は部員数15人の県立高校でこの打者を抑えれば県北勢初の甲子園が決まるがかなりの紙一重の状況である。 ちなみにエース鈴木小太郎はここまで130球投げている。 「小太郎、大丈夫か?」 三村が言う。 「ああ。」 か細い声で小太郎言う。 今大会全試合を投げ今日も130球。 真夏の暑さも手伝って すでに疲弊しきっている。 小太郎、御手洗に対する9球目を投げる。
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