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6想像を強くして願う
本当は私自身が時空を超えられたらなんて楽だろう。ただ行動制限がかかってるから無理だ。
兎に角簡単なもの。
それはなんだろう。ずっと悩んでいた。
すると突然リスが現れた。
『ねぇ何を悩んでいるの?』
「え、リスが喋った!なんで?」
『悩む人に現れるのが私の役目。話してみてよ』
「えっと、私には大事なお嬢様がいてお嬢様が望むようにするのが使命だからどうにかしたいの。
お嬢様が何か作りたいから素材の調達を頼まれた。だが望む品が分からない。なるべく簡単なものと推測する」
『そう。貴女はお嬢様に何か喋らなかった?』
「確か100均の素材を買うと言った。ただ私には行動制限がかかってるから無理だ。どうしたらいいの?」
『私が買って来てあげる。ちょうど100均に行く用事があるから』
「え、でもリスだと買えないんじゃないの?」
『大丈夫。ちゃんと人間になるわ。お金もあるし』
「わ、変身した姿見たい!」
『じゃあ約束してくれる?私が買ってくるから
私の子供たちの様子を見ていて。それと変身した姿を見たことを誰にも言わないで。それを約束してくれるなら買ってくるわ』
「分かった。約束する」
『でもリスさんの子供たちはどこにいるの?』
「うちの子は貴女の街の庭にいるわ。長男のジョージと長女のメアリーと次女のリリー。メアリーは気分屋で面倒だから怒らせないでね。とりあえずリスよう牛乳も用意しておくから。ああ、どんぐりの
クッキーも好きだわ。シナモンシュガーで甘くしてね」
「それに私にも名前はある。リスのときはアリス。
人になったら真澄。貴女は?」
『私は晶。よろしくね』
「じゃあ晶、面倒をちゃんと見ていてね」
『分かった』
「私はもう出かけるわ。じゃあね」
アリスはポンと煙を立てた。うっすら見えたのは
普通にいるような女性。髪が長くて目がぱっちり
している。
ただ見送るしか出来なかった。
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