819人が本棚に入れています
本棚に追加
私の目の前には、白鳥さんと同じ薄茶の瞳。
肌が黒いところまで似ている。
「どうも、課長の上野雅樹でーす」
「草下ゆりと申します。よろ、よろしくお願いします」
「おぉ、よろしくー」
語尾を伸ばす独特の話し方。
人懐っこい笑顔。
身に着けているスーツ、鞄、靴は一級品。
センスがいいと言えばそれまでだけど、営業の人はなんだか不思議な人が多いのかもしれない。
白鳥さんもそうだけど、なんて言うんだろう。
本心が見えない、そんな感じ。
首を傾げた私と同じように首を傾げた上野さんは、再び笑った。
「緊張してる? まぁ、気楽にいこう!」
「は、はい!」
「あ、この後ちょっと食事してから、オフィスに行こうぜ。俺、朝までプレゼン資料やってて寝てねーし、食ってねーの。悪いな!」
上野さんの笑顔は、ニカッと音がしそう。
最初のコメントを投稿しよう!