ステップ15 本配属

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「はい! わかりました」 「一緒に行くんだけど……おい! 城木!」 上野さんが呼んだその名前に一気に喜びが溢れ出す。 上野さんの視線を追いかけて振り返れば、そこには見るだけで私に安心感を与えてくれる人。 「挨拶、終わりました?」 「先輩!」 「よぉ」 先輩が社会人になってからも何度も会っていたから、もう見慣れたスーツ姿。 「あれ、知り合いなの?」 私たちのやりとりを不思議に思ったのか、上野さんが大きな目をさらに丸くして問いかける。 薄茶の瞳がさらに光をとりこんで、透けて見える。 「大学の後輩なんですよ。サークルが一緒で」 「私、(ごう)さんを追いかけて来たんです! 本当に尊敬してて大好きなんです!」 「お前はまた、そうやって……」 「本当のことですよ」 「はいはい、わかってるよ」 「豪さんはどうして? あ、まさか私を迎えに?」 「バカ。本当にバカ。どうしてお前の頭はそう幸せなんだ」 「先輩がいて幸せですから!」 「……俺は課長の代わりに」 「あ、無視しましたね」 「どうしても外せないアポがあったから、川島くんのお迎え」
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