身果てるとも玉色褪せず

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「それはなんて素敵なんでしょう! 何色の服を纏っているのでしょう?」 「玉色に光り輝く布で織られた服だよ」 「どんなお声なのかしら、何色の瞳なのかしら」 どんな姿形で、どんな声音をしているのか……幼い私には興味はつきず。 家路につくまで、ずっとおばあさまにたつ様のことばかり聞いていた。 たつは、神様で、なんだかとってもすごい方なのだと認識した私。 もしかしたら、ほんとうは龍様なんていなくて、ただの空に浮かぶ雲だったのかもしれない。 興味をしめす、幼い私におばあさまがお伽噺のように語ってくれただけかもしれない。 けれども私にとって、龍は本当にいるもので。 思い込みだけではなく、実際に私は幼い頃に目にしたのだ。 それも一度きりではなく、幾度も目にしてはおばあさまに話をしていた。 見るたびに色や姿大きさが変わっていたが、私にはそれはいつも見ているたつと理解っていた。 何度も見た中でも、とびきり印象的な出来事がある。 あれは私がとおをすぎて、周囲から美しく育ったねぇ、と言われ始めたころだった。
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