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短歌と俳句と箴言
源の清き流れに焦がれれば歩む道々明けし紅
強がりを素知らぬ顔してやり過ごすそそくさと去る君を想えば
ささくれた私を見つめて母のように犬は過ぎ去る車に乗って
牛タンを尋ねて香る花の音にただ立ち尽くすあの日のように
我が傷を愛しと言いへし君の背に秘密解けなむ月の通い路に
友の鳥と風の便りに耳澄ます君の便りも聞けたらいいな
桜色の気息通じて君に逢うとろける身体訪れる眠り
あの頃の君とひとつを分かち合うひとつの心ひとつの想い
あなたの背見つめる度に夢に見る度にかじかむ心ただ抱きしめて
夕飯をつくり終えると翼萎え繭を作ってサナギに帰る
女の人が言葉の梯子で近づく日言葉の獣は胸躍らせる
受け取った心の炎嬉しくてけれど前後左右は見て取って
旅立ったあなたはあの日のままかしら餞の言葉届いてほしい
ゴム跳びに恥ずかしながら入れた日おれはひとりの男になった
悲しみで酒の杯重ねるよりも喜劇の程で笑い飛ばしたい
現世の矛盾を生きた子供達願わくばアニメのキャラクターに
眩しい日そっぽを向いてやり過ごす艶めく夕日後日味わう
精神科医に握手求めて握る手の弱々しさに歳月感ず
これまでの苦労はこれから生きるため想いはすでに青の讃歌へ
鉄筋の跡に緑の若葉映え
観音を目指して登る落ち葉道
夏のセミ命削ってなぜに鳴く
井の中の蛙大海を知らず しかし深海を泳ぐ
恐怖(受動)ではなく畏敬(主体)を
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