第六小節 宝探しと佳大の過去

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「いっぱい買ったね」 「そうだね」 近くの公園で、ちょっと休憩、またあのスーパーで働くのはつらいものがあるな。 手にしたチラシは、パートアルバイトの募集広告。 何も考えずに、彼とお父さんが幸せに過ごせるなら、私はその手伝いをすればいいなんて簡単に思っていた、でも、真ちゃんにとって、お兄ちゃんたちがそばにいつことが幸せなら、私なんかいなくてもいいし。 ママ―と声がした、ふと顔をあげたとき、あの女性が目に入った。 「よしたか君、だめよ、飛び出したら危ないでしょ」 ごめんなさいという男の子、よしたか?はは、彼に似てる。 ボールが足元に転がってきて、真ちゃんがそれを取ると、その男の子が取りに来た。 「はい」 「ありがとう」 走っていく、彼女は軽く頭を下げた。 「ナーちゃん、ブランコ」 「乗る?」 「うん」 走っていった。 男の子も隣に座った。 ごくりとのどが鳴る。 「恐れ入ります、よしたか君とおしゃるんですか?」 ええと不思議そうな顔。 「ぶしつけですが、よしとは、人偏に土が二つですか?」 「ええ、そうですけど」 「そうですか、家は、真一で、ありふれた名前になってしまって」 「あらいいんじゃありませんか?」 そこで会話は終わった、胸が痛くて、真ちゃんの手を取り走り出していた。 ただいま。 「真、あ、いた、どうしたんだ?真っ暗で」 「おーちゃん、お帰り、ナーちゃんね、ポンポン痛いんだって」 ガラッと部屋の戸が開いた。 「泣くくらい痛いのか、病院は、痛み止めのんだ?」 「おーちゃん、大丈夫、ちょっと頭も痛くて、寝てればいいから、あー、こんな時間、すぐに晩御飯」 「いいから、寝てろ、馬鹿兄貴、こんな時に何して」 私は彼のズボンを引っ張った。 「もういいの、ごめんね、私も出て行くし」 「はあ?何言ってんだよ、とにかく寝とけ、いいな」 このとき彼は母親の事を思い出したそうだ、悪いことしちゃったな。 「えーとね、お風呂屋さんをずーといって、広ーい、大きなお店に言ってね、ウリと、モモのえさと、お布団かって、近くの公園でアイス食べて、ブランコに乗った!」 「それだけか?」 「うん・・・」 「誰かとお話しなかったか?」 「あー、女の人、男の子連れてた」
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