第一小節 一人で生きる。

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昼飯、食ったらレジ代れという。 店長も忙しい、昼の休憩時間が終わると、彼もレジに入る。 最初の店長さんはそんな体で大丈夫かといわれたが、根っからの頑張りや、認められるのも早いし、大きな会社で経験もあったから、半年後の春、新しい今の店長さんに代わって少しずつ時間が加算され、今じゃいいように使われているかな。 そっか―三年も働いたか―。ん?ハー三十三も過ぎたか、早いなー。 夕方、外はまだ降っている、ピークは過ぎたようだが、また夜には強く降りそうだ。 事務所に電話が入り、弁当の注文を受けたと連絡。 「来るかな?」 「来ないときは、早めに売りに出そう」 取り敢えず時間指定されていたから出しておいた。 そう何度か電話で取った注文は取りに来なくて、廃棄は免れたが、勤めている物が買う羽目になる、私が来てからは、電話はお断りして絶対取りに来ることと、責任者の連絡先を教えてくれた人や会社だけにしている。事務員は遅くなっても必ずくるからといったから受けたという。 「チーフ、揚げ物少ないです」 「全部か?」 「天ぷら以外ありません」 「すぐに出す、から揚げお願い」 七時過ぎまでは忙しい。特に雨が降っているから、弁当の出がよすぎて追いつかない。 七時半になった。 予約の弁当だけが並び、売り場にはほとんどなくなっている。 「いらっしゃいませ」 そこに、男性二人、この間の人だ。 「野田です、電話した、R社です」 ビクッ!その名前に過剰反応 「は、はい、こちらになります、から揚げが二個と、日替わりが五つ、三食が一つにそば定が二つサラダが三つ、以上よろしいですか?」 「ありがとうございます」 「助かったー、さすが部長」 売り場にはほとんどものが無い状態。 「まあな、すみません、あ、そうだ、これ、名刺なんですが、またお願いすると思うので」 あ、ちょっと待ってください、チーフを呼んだ、帽子を取りあいさつ、毎日来てくださってありがとうございますといっている。 「では、レジでお願いします」 目で合図、私が持って行った。
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