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ありがとうございましたと頭を下げる、かごには飲み物やパンなんかも入っていた、十個もの弁当、住所は、すぐ近く、だからか。
バックヤードに入ると
「あー、あそこのビルか、いろんな会社が入ってるからな、ありがたいよな」
そういうと、名刺を、ホワイトボードに張り付けた、そこには、よく弁当を頼まれる会社個人の住所や連絡先が張り付けてある。
野田佳大、その名刺の名前も気になった、元カレの一人に名前が似ていた。
いや、いやそんなことはないだろう。
そんな思い出もあるよなぁなんて、明日は休み、病院へ行かなきゃな。
行ったら入ったで、検査に、その結果を待つ、朝一で行っても結局昼までかかる。
番号札をもって会計を待つのも時間がかかるしなー。
番号が出て一斉に動く人、薬は一種類だけ、病院から出る、そっちへ行ってくれと言われ、ほかにも出る薬は、近くの薬局へ、処方箋を送ってもらう。
薬は…ドン
「すみません」
「いえ」
「あっ」
でも向こうは、誰だという反応、そりゃそうだ、いつもの恰好は、帽子に、マスクで、目しか見えてないから知るはずがない。
野田さん、こっちは覚えてしまった。
会釈だけして、薬局へ行き、番号の書かれた紙を出した。
「もう、いいのか?」
「後会計だけ」
その声に振り返った。
あ?
え?
「成美(なるみ)?」
人違いでーす。
その場を走り駆け抜けようとした。
待てよ!
むんずとつかまれた腕。
「痛い!」
「痛いだーハー?クソビッチが、いたいことねえだろ」
「離せ!」
「ここで会ったが、だ、くそ、勝手に引っ越しやがって、なにが思い出ありがとうだ、こっちは」
「こっちは何?結婚したんでしょ、なにがビッチよ、あんただって同じじゃない、それじゃあ」
「待て、結婚てなんだ」
「ハー?結婚するから、私なんかはただの遊びだって言ったのあんたよね」
「まあ、まあ、お前ら、ここ病院」
周りの目、恥ずかしくなった。
「外へ出よう」
「私は話なんかない、さようなら」
ちょっと待て。
離して!
何かがおかしい、ちゃんと話がしたいと言われた、私はない、さよなら。
だって、このまま話をしてどんな展開があるの、つらいなら。
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