序曲

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そのあとも男はいた、ほんと、ビッチだったよな。 でも今までの男たちとは違う人が現れた二十五歳の時。 将来も考えた、未来も夢見た。その先は明るくて幸せでなんて簡単に思っていた。 でも、病気になった。 命を落とすほどのもではなかったにしろ、その代償は大きかった。 神様を恨んだ。 なんでもっと早くにわからなかったのか。なんでもっと、もっと、泣いた、痛みと吐き気まるで妊娠しているように膨らんでくるお腹を殴りつけた。 いろんなことがショックだったから。 それが今までのつけだと悟った日、死を選んだ。 でも死ねなかった。 怖かった? 怖くはなかった。 なんで助けられたのだろう、それだけが不思議で・・・ だからまた神様を恨んだ。 はあ、こんなことなら、やめるんじゃなかったな。 会社を辞めた二十七歳。 男でやめた。 違う、病気に耐えられなくてやめた。 男でやめたなんて言われるのが面倒くさそうだったからやめた。 なにに夢中になっていたのか、楽しかった?仕事が?わからない、でも、まじめにやった、任せてくれるほど、没頭した仕事、何のためにしていたのだろう、やっぱり男?彼がいたから? おなかが痛い、転げまわるほど痛い、そんな思いまでして通うのもおっくうになったからやめた。 何もかもいやでやめた。 たぶんこのままじゃ、人間までもやめそうな感じでいた。  国家は天皇陛下のご高齢を考慮して皇太子様が天皇となられるだろう、短い平成の世は終わる、そして次も短いのはわかっている。 新しい年号より、西暦でばかり書かれる書類のため、今,平成何年だった?って近くにいる人に聞くのが当たり前になってしまったような気がする、カレンダーにも書かれてないのが多いし。T,S,H次はこの三つの頭文字はない。 まあ、次の世も短いことは否めないだろうが。 目が覚めて、のぞき込んだ母の顔。 「ごめんね」 かすれた声しか出なかった。 その声に母は涙を流した。 まあこんなところでいいや。 書きたいことはいっぱいありすぎて、箇条書きにでもしておかないと忘れる、小ネタはこうして取っておかないと…
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