花火

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「なぁ、聞いてる?」 「え、聞いてるよ。そのトリックが凄いんでしょ?」 「そうなんだけど、そこじゃなくて…っつうか何、どうしたの?」 「何が?」 「なんか変だから」 「いやー、疲れたなと思って」 「え、もう?お前が散歩したいって言い出したんだろ」 「あーうん、そうなんだけど。だって音ばっかりで花火見えないしさー。」 「花火見たかったの?人混み嫌だって言ってじゃん」 「ん、人混みは嫌だけどさ、こんだけ音聞いてたらちょっとくらい見たいじゃない」 「そうなの?なら早く言えよ。こっちじゃ見えねぇだろ。戻るか?」 「えー、もう遠いし戻るの面倒くさいよ。」 「んじゃあ、どうすんだよ」 「んー、どーする?」 「出たよ、お前の『んー、どする?』昔っからそうやって丸投げしといてそれは嫌だとか言うやつだよ。代替案だせっつんだよ。」 「えー、まだ何にも言ってないし。アキの方がいい案出るじゃん。よっこのインテリ!」 「お前それ全然褒めてねーよな。」 「そんな事ないよ。滅茶苦茶褒めてまーす」 「ったく。じゃあとりあえずあそこの歩道橋のぼってみっか。少しくらい見えるかもだろ。」
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