173人が本棚に入れています
本棚に追加
「ど、したの‥?急に…」
理由なら自分が一番わかってる。
だって見てしまったんでしょう?
気付いてしまったんでしょう?
「馬鹿猿が…泣いてんじゃねぇよ」
ほら、やっぱり。
三蔵にだけは気付かれたくなかったのに。
だって貴方は、俺以上に苦しそうな顔をする。
貴方にはそんな表情(かお)、してほしくないのに…
「何があった?言ってみろ」
少し迷い、話し出す。
「夢を、見たんだ
そこは真っ暗一面の闇。
アノ場所によく似ていて…嫌な事ばかり思い出してしまう場所。
でも遠くに光が見えたんだ。
よく目を凝らしてみたら、三蔵が居たんだ。
でも、走っても走っても、追い付けない。
手を伸ばしても、、、
届かなかったんだ… 」
それ以上は、言えなかった。
思わず溢れてくる涙。
それを優しく拭いながら抱き締めていてくれる三蔵。
「今はもう、あそこじゃねぇし、あの頃のお前でもねぇ。
それに、手を伸ばせば届くだろ?
所詮は夢だ。
現実の俺は此処に居る。
悟空、お前の傍に。
これからも、ずっと、な」
力強い三蔵の言葉。
何度も救われた三蔵のことば。
「ぅん…うん!」
今貴方が傍に居てくれることだけで、俺は強くなれる。
笑えるようになる。
「寝るぞ、まだ夜明けまで結構あるからな」
「うん…さんぞ、一緒に寝ても、いい?」
「……今日だけな」
「やった!ありがと、さんぞー!」
貴方の傍でなら悪い夢も逃げて行ってしまうでしょう。
もし、また悪夢に目覚めても、すぐ傍に貴方が居たならば、また安心して眠れるでしょう。
願わくば、何時までも貴方の傍に…
手を伸ばせば、貴方に届く距離に居られますように‥‥。
+end+
しょっぱなからこんなんですいません;;精進しますー(逃)
最初のコメントを投稿しよう!