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2章 脱オタクの最初の難関 ~下準備の下準備~
『オタクをやめてやる!』
と啖呵をきったのはいいのだが、結局このあとどうすれば良いのだろうか。
全くもって思い浮かばない。
家路を辿りながら考え続けたが、答えは一向に浮かんでこない。どうしたものか…
考え事をしていると時の流れとは異様なまでに早く感じるもので、ふと足を止めるとそこはもう自宅。
なんてこと皆さんもよくある事だろう。
うんうん。きっとそうに違いない!
「どうしたものか。どうしたものか。どうしよぉーーーーう!」
雄叫びのような声で叫ぶ。当たり前だがそれらしい回答は返ってこない。
返事がないという訳では無い。
ただ、回答でないというだけだ。
「うるせぇんだよ!くそ兄貴!」
まぁ、この男らしい叫び声が、我が新納家の良い方の遺伝子の結晶体みたいな、我が弟である。
良い遺伝子とは何かと言えば、
父の容姿、男らしく程よく低い声、運動神経
母の優しさ、繊細さ、流行りの情報を素早くキャッチするアンテナの様な情報網
…etc
俺は?って言うと、
父の収集癖、可愛い物好き、
母の良いとは言えない容姿、異性と喋れない
…etc
どちらも上げればキリがないものである。
だが、ふと考えてみれば弟に聞けば良いのではないだろうか?そうだ!そうしよう!
「弟よぉーーーー!!俺にモテ方を教えておくれぇー!」
馬鹿みたいな声と共に自室の扉を蹴破り弟の部屋の扉に大激突をかます。
扉が半分開いた、もしかして教えてくれるのか?
「うるせぇ!てめぇみたいなオタクは推しキャラを捨てない限りモテることは35億分の1もねぇ!!!」
辛辣すぎる言い方だ。
少しでも期待した俺が悪いのか?
実の兄に対する言い方ではない!(とおもう)
「とりあえず、扉を3分の2は開けてく…ださい」
「むり!キモオタはかえれ!」
なぜだ?! 実の兄が頭を下げているのに?!
「せめて、オタクをやめるって気持ちの強さを俺に見せてみろよ」
「え?」
「脱オタクの下準備をしろってんだよ!!!」
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