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ぼくの頭の中に「なぜ?」が反響した。
「アイリちゃん、きみは昨夜に宿題通信をしたかい?」
クニヒロくんが質問すると、
「ええ、そうよ。それから気持ちが軽くなったの。まるで心に風がそよいでいるみたい」
アイリちゃんは口ずさみながら言った。
やはり重症だ。
ぼくの全身は絶望ではち切れそうになる。
「マモルくん、きみはクオン先生に報告してくれ」
「クニヒロくんはどうするの?」
「ぼくは元凶と推測される宿題通信を調べるから」
「宿題通信が問題なの?」
「ぼくの調査では、さびしん病を発症した5人すべてが、宿題通信で睡眠学習していたんだ」
「わかった。ぼくは先生のところに行くね」
ぼくは書記長と別れて、先生を訪ねることにした。
クオン先生がデジ脳チャットに返事しない。
先生まで「さびしん病」になったのか?
背中を押す不安で、足が速くなる。
ぼくは学校の門をくぐった。
構内には人影がない。
「クオン先生、いますか」
職員室に入って呼びかけた。
職員室にも人影はなかった。
(まさか!?)
ぼくは通信室に向かった。
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