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次の日、朝早くに佐藤先輩が僕の教室に来て結果を教えてくれた。佐藤先輩は、「今日からよろしくね」と言った。…どうしよう、凄く嬉しかった。このことを一弥達にも報告した。
「やったな!翼!!」
「おめでとう。」
優斗と瑞季が笑顔でそう言う。僕も笑顔で返す。
「ありがとう。」
「一弥も言ってやれ……ってあれ?一弥は?」
「え、俺は知らないよ?」
「僕も………」
僕は見ていないが、どうやらさっきまで一緒にいた一弥がいないらしい。
「まぁ、いいや。どうせトイレとかだろ?」
「ホームルームの時までには戻ってくるかもしれないしな。」
「…そうだね。」
そして、他愛もない会話をしながら一弥を待っていたが、先生が先に来た。そして、一弥は来ないまま朝のホームルームが始まった。そして、朝の出欠確認。
「神宮寺。」
一弥がいないので、少しの間沈黙が訪れる。そしてすぐに先生は口を開く。
「あれ、神宮寺は?いないのか?」
「朝いたんですけど…急にいなくなって…」
すぐに瑞季が先生に伝える。すると突然、教室のドアが勢いよく開く。そこにいたのは、息を切らしていた一弥だった。
「はぁ…はぁ…すみません……遅れ…ました……」
「あ、あぁ…大丈夫だ。何かあったのか?」
「ちょっと…お手洗いに……」
「そうか、まぁ…座りなさい。」
お手洗い…とか言っていたが、僕にはそうは見えなかった。なぜなら一弥の顔色が、真っ青だったからだ。
一時間目の授業を終えて、僕は一弥の元に行った。
「一弥っ!」
「…ん?あぁ、翼。どうしたの?」
一弥の顔を見ると、さっきよりも顔色が悪くなっていた。
「一弥、保健室行った方がいいよ。」
「え…何で?」
「だって、凄く顔色悪いもん。僕もついて行くから…だから保健室に行って。」
心配で心配で仕方なかった。こんなにも顔色の悪い一弥が、授業にずっといたらきっと倒れてしまうと思っていたからだ。
「…大丈夫だよ。翼は心配しすぎ。何ともないから……。」
「嘘だよ!顔が大丈夫じゃないって言ってる!」
「本当に…大丈夫だから……」
「ねぇ、僕には分かるよ!大丈夫じゃないの!!無理しないで、僕には弱音吐いてよ!」
「……」
一弥は黙り込んだ。けど、すぐに口を開く。
「ごめん、本当は具合悪い。迷惑かけてごめん。保健室行って……」
「…一弥?」
一弥は席を立った途端、足から崩れその場に倒れた。
「一弥?一弥!?」
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