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「リビングの床やソファーに、男女の体液がベタベタ付いてたけど。 これを見て、納得がいった。 被害者、相当に乱れ捲ってるわ」
と、呆れた物言いを。
後を任せる事にした木葉刑事は、
「聞き込みに出たら、噂好きの主婦からも出るな~その辺り」
と、仲間に言う。
そんな事は大嫌いな里谷刑事。 その顔を不満げに変えて、
「そんなら結婚すんな゛っ、無意味じゃわいっ」
と、云うも…。
新たに発見したモノも押収するとした瓶内鑑識員は、
「カタいわよ、里谷。 ‘人妻’って付くだけで興奮する男だって、わ~んさか居るんだから」
こう追い討ちを。
「ウルヘェっ!」
ノッシノッシと出て行く里谷刑事だが。
「こんな下着・・いいのかよ」
女性用なのに、切れ込みが有るパンツを見て呟く八橋刑事。
瓶内鑑識員は、そんな若い八橋刑事を一瞥すると。
「いいかどうか、試しに彼女へ穿かせてみたら? 違った雰囲気で萌えるかも」
「え゛?」
不意打ちの一言に驚いた八橋刑事は、気恥ずかしくして出て行く。
(あら、ちょっと刺激が強過ぎたかしら)
自分の行いがイジメに近いと感じた瓶内鑑識員。
だが、紫色のツルツルした袋の中身を覗くと…。
(飯田さんが、自分より木葉刑事の方が‘真打ち’って言うのは、こうゆう事?)
気を入れて袋の中身を確かめた。
さて、捜査すべく一階に降りた木葉刑事は、つくづく不思議に思う。
(事件は、何処にでも転がってるものなんだなぁ。 まさか、こんな場所にも…)
見えない所で何が起こっているのか、感覚が研ぎ澄まされてしまった今では何もかも信じられない気がしてきた。
こんな事を思うのは、殺人が起こったからではない。 今、幻想の様に、また誰かの記憶らしきものが見えている。
“イヤっ、そんなの飲みたくないっ!”
制服を酷く乱した高校生らしき少女が、泣いて激しく頭を左右に振る。 その少女の前には、半裸で下着一枚の中年男性と殺害された女性が立っていた。
“薬物なんか遣りたくないっ、私を帰してっ!!”
未成年と思われる女性が、何かしらの薬物を飲む様に迫られていた。 殺害された被害者の女性は、スマホを翳して。
“あら、じゃ~この映像を世間に広めてあげる。 貴女、顔もイイから体で稼げそうだし。 就職先を斡旋してあげるわよ”
と、少女を脅す。
一方、半裸の男性は少女に近付き。
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