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龍哉の方は何とか理性で抑えることは可能だが、初めて発情期を迎えた柚斗の身体は、恐らく相当辛いはずだ。Ωの発情は、基本的には他人と交わることでしか治まらない。
卓巳が柚斗にどこまでしてやるつもりなのか、それは龍哉が口を挟めるところではないけれど、とにかく一刻も早く柚斗を卓巳の元へ連れて行ってやりたかった。龍哉に出来るのは、せめて彼らの心を満たしてやることくらいだ。
「兄の代わりに、柚斗くんを迎えに来ました」
龍哉の声が届いたのか、部屋の真ん中で苦しそうに胸を喘がせながら、柚斗の唇が『卓巳さん……』と確かに兄の名を紡いだ。
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