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エピローグ
◆◆◆◆◆
────四年後。
「ホントに良かったのか?」
海岸沿いの道に車を走らせながら、卓巳は助手席の柚斗へ問い掛ける。
『東條家の隠し子監禁事件』発覚からもうすぐ五年。
結局あの事件で柚斗の母である柚花は不起訴となり、父の聡一郎は、執行猶予付きの実刑判決を受けた。
柚斗は施設を出た後、年に数回両親と面会していたが、この日も両親に会いに行っていた柚斗は、迎えにきた卓巳に「今日で最後にしてきました」とどこか清々しい顔で告げたのだ。
いくら聡一郎が前科を背負ったとはいえ、折角巡り会えた本当の両親と、この先柚斗は会わなくて良いのだろうかと思ったのだが、助手席の柚斗は「良いんです」と迷いのない声で言い切った。
「元々、お父さんの執行猶予期間が切れるまで…って、ずっと決めていたので」
「……何でだよ? 猶予期間が切れたら、それこそ今までより気兼ねなく会えるんじゃねぇのか?」
確かにそうなんですけど、と苦笑して、柚斗は窓の向こうに広がる海へと視線を向ける。
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