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そしてその報告を受けた卓巳と、横から覗いていた龍哉は、目論見通りとハイタッチを交わした。
外に取り付けられて常に空気に触れている分、恐らく錆びの進行は速いだろうという龍哉の読みは的中し、それ以降も着々と鉄格子の錆びは進行していき、そしていよいよ「どうしよう、押してみたら柵が落ちました!?」と柚斗から動揺した報告メッセージが届いたのは、塩水をかけ始めてから約二週間後のことだった。
元々何年もの間雨風に晒されていて錆び始めていた鉄格子の錆びを急速に進行させたお陰で、思いの外早く腐敗してくれたらしい。
長年閉ざされていた蔵にようやく、新たな扉が開いた瞬間だった。
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