死にたがり魔女と弟子

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私だって元々死にたがりだったわけじゃない。ことの始まりは、思いつきで弟子のレオの未来を占ったことである。 満月の夜、盆に水を満たして月を映し、一言二言呪文を唱えた。水はさざ波を立て、これから起こるかもしれない未来を映し出した。 「何が見えました?」 興味ないと言っていったレオもそわそわと結果を知りたがった。しかし私は、すぐには言葉を発することが出来なかった。 「師匠?」 レオが異変に気づき、顔を覗き込む。 「何か変なものでも見たんですか?」 「……うん」 魔法で自分を占うことは出来ない。 しかし、レオの未来にしかと私を見た。今とは違う、異なる自分を。 「レオの運命の相手は、来世の私だ」 ぽかんとするレオ。同じくぽかんとする私。 ほんの思いつきで、予想外のものが見えてしまった。 そして悟った。 「来世の私」とレオが一緒にいるということは、今世の私はもうすぐ死ぬのだと。
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