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雨
もうすぐ夏休みに入りそうな7月初め、私の住む県では珍しい程雨が降り続いた。
その雨はやがて、複数ある一級河川どれをも脅かし、ついには支流の川2本が決壊した。
被害のなかった私達が、そんな現実を知ることになるのは、翌朝。
近所の人たちと無事を確認して、いつものように長話をしていた時に、河川を挟んだ向こう側が水没したことを知った。
深夜に派手に工場が爆発した場所も、爆発まえから徐々に水没していたらしいと聞いた。
そして、その町の隣に位置する地域は、更にとんでもないことになっていた。
その地域は、テレビで連日報道されていたので様子はよく分かったが、もう1つ決壊した支流のある
、県庁所在地のある市の一番端の地域も、広域で一階が水没していた。
この一件でおそらく誰もが、身内・友人・同僚等の知り合い、いづれかに被災者がいるという悲劇が起こった。
実は、床下浸水や床上浸水をした地域は県南には多々あり、そのどの地域も一級河川の支流の川が氾濫し、道と同化して土色に濁り流れていた。
雨が上がった次の日は、自分の住む地域から出るのは何処を通っても困難になった。
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