第一章 闇夜の烏(カラス)は黒いのか? 

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「どんな人の家ですか?」 『そうだね。この家は、とても金儲けの上手い家でね、それは、この家に 座敷童子がいるからだとされていた』  そんな大切な家を、どうして持ち主は手放そうとするのだろうか。 『……現在の、この家の持ち主は、自分の座敷童子は一緒に引っ越ししたから、 手放しても平気だと言っている』  それでは、家に幾体もの座敷童子がいたということになる。 『そして、死保は、この家に住む座敷童子を成仏させる条件で、チームに家を 使用する権利を渡すと言っている』  だが、成仏と言っている時点で、この座敷童子は幽霊なのだと限定している。 幽霊は、金儲けは出来ないので、座敷童子というのは、何か別物の存在だと考えた方がいい。 『……期限が半年になっているので、死保も迷っているようだね』  座敷童子が、本当に能力者ならば、死保は成仏よりも仲間にしたいらしい。 そこで、最初に状況を確認してから、成仏に取り掛かって欲しいと期限を長くしていた。
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