第一章 闇夜の烏(カラス)は黒いのか? 

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 桜本のグループは、最低限の必要資材は、現世に置いておけるように要請し、 死保が了承したという。 そこで、納屋が必要となり、興梠が予算で唸っていたのだ。  俺達が死保にいる間は、賃貸の場合は支払いができなくなる。 そこで、興梠は前払いして対応していた。 だが、大量に借りてしまうと、その前払いの費用もバカにならない。  興梠は、数字を呟くと、俺を見た。 「市来、座敷童子を調査して。ここの維持費だけなら安価だし、死保への支払いならば、 滞納してもどうにかなる」  これは、仕事を引き受けるということらしい。 「わかりました。現場に行ってみます」  一人で現場に行くのかと、興梠を見てみたが、まだ計算の最中であった。 呟く数字を聞いてみると、予算を作成しているらしい。 人数が増え、仕事の範囲も増えたので、支出の要素が増えたらしい。 興梠は現世に出ても、暫く計算を続けるだろう。
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