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「寒河江、現世に行かないか?」
「……僕は生きていない。僕は生きていない……」
寒河江を誘うと、押し入れから消え入るような呟きが聞こえていた。
寒河江は、仕事があると正気になるが、まだ、何も無い時は引き籠もりのような状態であった。
俺は押し入れからメンバーを出す事が出来ないので、寒河江が自発的に出て
くるのを待つしかない。
でも、その時がいつになるのか、予測もつかない。
「時任さん……仕事がありますよ」
時任を呼ぶと、転がるように甲斐が出てきた。
甲斐は、体調を崩しているが、死保の中ではどうにか動く事ができる。
現世でも、甲斐の恋人である、織田の家では動く事ができた。
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