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「それから市来、どうして、最初に俺を呼ばないの?ここで、俺以外の相棒はいないでしょ?」
時任が、俺の頭を突いていた。
「時任さんは、女性を口説く仕事以外は、進んでしないではないですか……今回の仕事は、
女性の関係はありませんよ」
時任以外に相棒がいないのは確かだが、そういう理由で呼ぶのが嫌だったのだ。
「世界の半分は女性だから、現世に行けば口説く理由など、いくらでも見つけられるの!」
「それが、嫌なのですよ!」
時任は、好きだから口説くのではなく、口説くのが好きなのだ。
「まあ、百歩譲って、市来を口説くのもいいよ。でも、赤の点滅で、消滅するでしょう?
お互いにね!」
「俺を口説く必要が、全く無いからでしょう!」
俺と時任が喧嘩していると、興梠は全く俺達を視界に入れずに、現世へと出て行った。
俺と時任は、じっと興梠を見送ってから、ゆっくりと歩き出した。
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