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四畳半の和室には、中央に炬燵があり、ペンを持ったまま眠っている倉田が、
今日も座っていた。
倉田の正面には、胡坐をかいて興梠(こうろぎ)が座り、ぶつぶつと数字を呟いていた。
この部屋は、死保(死保留中探索調査委員会)で、倉田は部屋ごと死保に来てしまった、
珍しい人であった。
死保、【死保留中探索調査委員会】は、死んでいる者、もしくは、死に近しい状態の者で、
自分が死んだ(もしくは、その状態に陥った)原因を知らない者が来る場所となっている。
死保にはチームがあり、それぞれに仕事がやってくる、倉田はここのチームの
受付兼記録係及び報告係であった。
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