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今度は、部屋にある小さな流しの方向であったので、流石に危険だと思って身構えると、
いつの間にか倉田の半纏のポケットに入っていた。
『興梠さん、市来を投げるのは仕方がない事ですが、カーテン方向に限定してください。
市来が怪我をします』
俺を投げるのは、仕方がないというのは、どういう事なのであろうか。
しかも、倉田は眠ったままで動いている様子がないのに、どうやってポケットに
俺を入れたのだろう。
俺はポケットから這い出して、倉田のノートを読むと、倉田の手によりかかった。
倉田は、メンバーの会話が聞こえているのだが、返事はノートに書く事でしかできない。
『市来、興梠さんをからかうのは止めなさいよ……危ないよ』
「だって、暇ではないですか。倉田さん、何か仕事はないのですか?」
倉田の手にぶら下っていると、いつの間にかカーテンに向かって投げられていた。
俺は、カーテンを滑り降りると、再び倉田の手元に戻った。
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