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『市来君、投げられて遊ぶのはやめてくださいね』
「倉田さん……暇ですよ」
倉田の手に寄りかかると、今度は眠くなってしまい、そのまま眠ってしまった。
この部屋は倉田の部屋で、倉田が文字を書く邪魔をすると、カーテンに投げられる、
ポケットに移動するなどの機能が働くらしい。
大人しく眠っていると、倉田の指が俺の頭を撫ぜている気がした。
「倉田さん、温かい……」
倉田の手は、生きている人のように温かい。
死保は死者の集まりであるのに、どうして心臓が動き、温かいのだろう。
人は生きているからこそ、生きている気持ちが分かるのかもしれない。
だから、死保は死保留であって、死者とも言い切れないのかもしれない。
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