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授業が終わった時、先生は早速絡らまれていた。
「先生が好きな人ってどんな人ですかー?」
「とにかく可愛くていい人。」
「いいの?楓行かなくて。」
「うん。私はいいや。」
正直どうだっていい。
先生に彼女がいようといまいと、好きな人がどんな人であろうと。
「じゃあ私行ってくる~」
ひかるは目をキラキラさせながら女子の集団にズカズカと入って行く。
「先生質問!」
「えっと何さんだっけ?」
「もーさっき言いましたよー。川上です。」
「川上さん。なになに?」
「先生が好きな人って年上?年下?」
「一応年下かな。」
「先生の年で年下ってもしかして生徒が好きだったりしてー」
ひかるがそういうと、先生は笑って言った。
「そりゃ生徒は好きだよ。みんな同じくらいね。」
否定しないんだ。じゃあ本命ももしかして生徒にいるんだったりして…。
遠くで聞きながら私はそう思っていた。
「川上さんは住田さんと仲良いの?」
「はい!楓は大好きな親友なんでーす。香川先生、楓と面識あったんですか?名前ちゃんと知ってるし。」
「あ、話したことあるんだよね。本人は多分覚えてないけど。」
香川先生の視線が私に向けられる。
話した?私は全く覚えていない。
少なくも高一の時には絶対に話したはずがない。
話したことあったら覚えてるはずだもん。
「楓ーどーなの?」
ひかるは少し大きな声で私に尋ねる。
「知らない!」
私は少しキレ気味に答えてしまった。
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