真夜中の攻防戦

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僕の方を見ずに説明するクロッカスを見て、背中に嫌な汗が噴き出したような気がして、パジャマが背中に貼り付いた感じがして気持ち悪い。 もし、クロッカスが振り向いていたら、僕はみっともないくらい取りすがったに違いない。 それくらい非日常的な出来事に理解が追い付かないはずなのに、拳銃を持つ手の指は自然に引き金にかかった。 そしてクロッカスが振り向かないのは、余裕がないのと、ここからは別行動ということ。 ここから先は僕がしっかりして、とにかく進むしかない。 クロッカスを信じて地下通路まで辿り着かないと。 僕の気持ちが固まると同時に、クロッカスは二階からロビーに飛び下りた! 飛び下りても無事な高さだけど、クロッカスは無茶をするなぁ…。 そう思いながらも、僕はもう一つの階段まで走る。 何も考えずにがむしゃらに走った。 侵入者が銃を持っていて、僕に発砲してきたらとか考えずにひたすら階段まで走る。 階段まで着いて、息は切れていたけど、それを整える僅かな時間も惜しくて階段を下りる。 階段が曲がってから上下階が繋がる構造の為、L字型の逆の形の角にあたる部分は踊り場になっている。 僕の足は踊り場までで止まってしまう。 どうしても避けられない事態に直面したから。
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