学園内も危険がいっぱい!?─予兆─

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目を覚ますと、僕はベッドに入って眠っていたことに驚く。 確か夜に侵入者がいて…夢じゃない…よな? 夢だとしたらリアルすぎるし、そもそも僕が助けた女性が"酒見先生"という先生だなんて知らないのに、名前が出てくるとは思えない。 夜のことを反芻しながら、ベッドをごろごろと転がっていると、控えめなノックの音がした。 すぐにクロッカスだと分かってドアを開ける。 「おはようクロッカス」 「おはようございます旦那様。まだお休みかと思っていたのですが、しっかり目は覚めているようですね。朝食を作りましたので、制服に着替えて靴を履いてロビーにどうぞ」 「うん、ありがとう。そうだ、僕はいつベッドに入ったか知ってる?自分で入った記憶がないんだけど…」 「そうでしょうね。侵入者がいなくなってから、気絶するようにして眠ってしまわれたので、私が寝室までお運びしましたから」 「そうだったんだ…。手間をかけさせちゃってごめんね。クロッカスも疲れていたのに…」 「いいえ、むしろ少しでも眠っていただいてよかったです。まだまだ夜のようなことは何度も起こるはず。休める時は休むことに専念すべきです」
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