学園内も危険がいっぱい!?─予兆─

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クロッカスの背中を見送って、少しの間巾着を持って呆けていたら、同じクラスで一番の仲良しの弓削(ユゲ)が話しかけてきた。 「さっきのが例の執事?」 「うん、クロッカスっていうんだ」 「本名…じゃないよな、さすがに」 「と思うよ。確かに日本人離れした美形だとは思うけど。実習中に本名知られたら、実習が終わってからが大変だからじゃないかな?」 執事科は誰もがイケメン揃いだし、女子からすれば実習が終わるまでには、彼らと恋人として付き合いたいと思ってもおかしくない。 ただ、執事科の生徒からすれば、大事な実習に付き合ってくれるパートナーとしか認識してないようだけど。 女子からすれば夢のように楽しい実習期間が始まったんだろうけど、僕からすれば命の危険と背中合わせの落ち着けない実習期間が始まって、ちっとも楽しいとは思えない。 夜中に拳銃使ったりするんだし…。 「おい、それ弁当なら、食べた方がいいんじゃないか?昼休みなくなるぞ」 弓削の言葉で我に返り、自分の席に着いて、クロッカスからもらった弁当を食べることにした。 飲み物は弓削が部活の合間の水分補給に買ってたスポーツドリンク(もちろん未開封)をもらって、凄く申し訳なかったけど、やっと昼食タイムだ。
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